咬合(嚙み合わせ)理論の一派として、ナソロジーという考えが存在します。ナソロジーの詳しい説明はここでは割愛しますが、その考えの一端に、”臼歯喪失は前歯崩壊の始まり”という考えがあります。ナソロジストでなくても歯科医師であればこれは常識ですが、わかりやすく説明しますと、奥歯(臼歯)が、進行した虫歯、歯周病、外傷などで喪失すると、奥歯ではものを噛み砕くことができなくなるため、無意識的に前歯で咀嚼するようになるので、前歯が加重負担となるため、上顎の前歯が出てきて、いわゆる出っ歯になったり、顎関節の位置がずれて顎関節症になり、最後には前歯がグラグラして、あるいは歯根が破折したりして崩壊し結局抜歯となります。奥歯が欠損したまま放置している方は少なくありません。必ず、ブリッジ、入れば、もしくはインプラント等で奥歯を作成するのが望ましいと思います。
文書監修 岡田孝志(インプラント認定医)