歯の栄養には、カルシウムだけでなく、タンパク質、リン、ビタミンA・C・Dの栄養素を含む食品をバランス良くとることが大切です。
カルシウム(ひじき、チーズ、しらすぼし、)とリン(米、牛肉、豚肉、卵)は歯の石灰化(成熟して固くなること)のための材料に、タンパク質(あじ、卵、牛乳、豆腐)は歯の基礎となり、ビタミンA(豚、レバー、ほうれん草、にんじん)は歯の表面のエナメル質の土台となり、ビタミンC(ほうれん草、みかん、さつまいも)は、もう一層下の象牙質の土台となり、ビタミンD(バター、卵黄、牛乳)はカルシウムの代謝や石灰化の調節役となります。
また妊娠中に必要なカルシウムの1日の所要量は1gされています。牛乳だと1日400~800ml飲むようにすればよいといわれています。
むし歯になりやすい歯並びや、歯の性質、唾波の性質など、遺伝的なものも確かにあります。それよりも、赤ちゃんが育つ環境に左右されることが多いものです。
家庭での食事や飲み物の与え方、歯みがきなどの生活習慣が赤ちゃんのむし歯をつくります。
また、むし歯菌はお母さんから赤ちゃんに伝染すると言われていますから、お母さんのむし歯も早く治療しておきましょう。
乳歯が生え始めたら歯みがきの習慣づけをはじめましょう。まず、子どもをあお向けに寝かせ頭を保護者の膝の上にのせ口の中を観察することからです。また清潔な指で口の中を触ることもよいでしょう。子どもは口をいじられることに慣れてきます。慣れてきたら乳児用の歯ブラシで、1~2回ちょんちょんと歯に触れる練習から開始しましょう。
生まれた時、すでに生えている歯のことを(先天性歯)といいます。このような場合は、授乳時に歯が乳首に当たり傷んだり、下の裏に潰瘍ができることもあります。
このように早く生えすぎると、顎骨の中で十分な時間をかけて育たないので、歯の表面がでこぼこして弱いことが多いようです。小児歯科専門医でご相談ください。
乳歯は、遅い場合には、1歳3ヶ月たってからようやく生えることもあり、生え方には個人差があります。歯が生えてくる前には、生える場所が大きく膨らみ、指で軽く触ると歯のある部分が白くなり触れることができます。他の部分と比べ膨らんでいれば、歯がある証拠なので心配はありません。
この年齢では、歯みがきをいやがる場合が多いので、Q2を参考に楽しい歌を歌いながら笑顔でみがいてあげてください。保護者の方も一緒に歯みがきをするといいでしょう。
また、寝かせみがきをするときは、時間をかけずに効率よく行うことです。大切なことは、毎食後に歯みがきをする習慣をつけることです。
ところで、歯を磨くことに一生懸命で、こどもが不快な思いをしていないでしょうか?
歯を磨くことに夢中で口を開けたままだと唾液が喉にたまり呼吸ができずに苦しくなります。一度歯ブラシを口からぬいて、唾液を飲み込むと呼吸が楽になります。これは一例ですが、こどもが何故嫌がるかを考える必要がありそうです。
姿勢は保護者の膝の上に頭をのせて寝かせて磨きます。歯ブラシはできるだけ小さなものを使い、歯ブラシの持ち方は、ペンを持つようにして、片方の指で子供の唇を軽くめくり、動かし方は、前後みがき、あるいは、横みがきをしてください。上の前歯の、歯と歯の間や歯と歯肉の境目がむし歯になりやすいので、とくに注意しましょう。
歯並びは遺伝的要因もあります。たとえば、お父さんやお母さんが受け口ならば、お子さんもそうなる可能性が大きいですので注意が必要です。小さいお子さんは顎を前に出す癖もあるようです。最近、下を上にあげるのが下手なことが、受け口と関係あることがわかってきました。下を上手に動かすトレーニングや簡単な装置を利用することもあります。乳歯が生えそろう3歳くらいまで様子をみて自然に治らない時には、小児歯科専門医の先生に一度相談してください。
特に下の前歯が足りないことが多いようです。乳歯が足りないからといって、永久歯も足らないとは限りません。乳歯のときには、経過をみて、永久歯に生え変わるころに小児歯科線も二で、顎全体が写るレントゲン写真を撮ってもらいましょう。そのとき、永久歯の数などの詳細がわかりますから将来の歯並び・咬み合わせについて相談しましょう。
歯並びが悪くなるのは、3つの要因があります。一つ目は、乳歯をむし歯などで早く抜き永久歯の生える場所がなくなるため。二つ目には、歯と顎の骨の大きさのバランスが悪く永久歯の生える場所がないため。三つ目は、遺伝的な問題です。最近では、永久歯の歯並びが悪くならないように、乳歯の時期から簡単な装置を利用したほうが良い場合もあります。最良のタイミングで治療が出来るように、小児歯科専門医に相談し、定期的に経過をみていきましょう。
専門領域により意見が異なるため、小児科と小児歯科の保険検討委員会より指しゃぶりに対する統一見解がでています。小児歯科学会のホームページを参考にしてください。
http://www.jspd.or.jp/contents/main/proposal/index03_05.html#pro05
ステージごとに考え方と対応が示されています。
全体として指しゃぶりについては、3歳までは、特に禁止する必要がないものであることを保護者に話すようにすることが大切です。それと同時に保護者は子供の生活のリズムを整え、外遊びや運動をさせてエネルギーを十分に発散させ、手や口を使う機会を増やすようにします。スキンシップを図るために、例えば寝つくまでに間、子どもの手を握ったり、絵本を読んであげたりして、子どもを安心させるようにします。4歳以降も頻繁な指しゃぶりが続く場合には、小児科医、小児歯科医および臨床心理士の連携による積極的な対応が必要です。
アトピーの場合、いろいろな薬に対して、アレルギーをおこす可能性があります。 歯科で使用する薬には、抗生物質、局所麻酔、材料では歯につめたり、かぶせたりするレジン、乳歯の金属冠、銀歯などがあります。これらによって、ごく稀ですが皮膚炎の悪化や発疹が生じたりすることがあります。何か気になる症状が出るようでしたら、主治医に相談しましょう。
口の中を清潔に保つこと、歯みがきやうがいを十分に行うことが大切です。 洗口剤を利用して口の中の菌の数を減らすことも効果があるようです。また、普段の食事を好き嫌いなくバランスよく食べることが大事です。また、風邪をひいたり、疲労や季節の変わり目にもよく出ますので、上記のことに特に気をつけましょう。
レジンといって、歯と同じような色のプラスチックのつめものがあります。しかし、それぞれ適応症があり、あまり大きな穴の所に白井つめものをすると、かむ力によっては、欠けたりすることもあります。レジンで適応出来ない大きなむし歯や神経処置後には乳歯冠という既成の冠がどうしても必要になることもあります。かかりつけの歯医者さんにそのことを相談してみましょう。
普通、この年代では、歯と歯の間にすき間がある(発育空隙という)ことが正常です。乳歯より大きい永久歯が生えてくることを考えると、すき間のあるほうが都合がいいのです。このすき間は、永久歯が生え変わる時、利用され閉鎖していきます。
ときどきあごに対して歯のサイズが小さいためにすき間が生じることもあります。その際には永久歯になってからの処置によって治すことができます。
反対のかみ合わせは永久歯交換期に自然に治ることもありますが、遺伝的要因があると自然には治りにくいです。あごの大きさの問題なのか、歯の傾きが原因なのか4~5歳ごろになると精密な検査ができ、治療することも可能です。それ以前でも定期的に小児歯科専門医を受診し、診査してもらうことが大切です。
水がしみるときは、中程度のむし歯で、お湯がしみるときは、むし歯がかなり進行して、神経まで及んでいる時です。また、しみるのはむし歯のときだけではなく、知覚過敏といって、歯がすり減ったり、知覚過敏といって、歯肉が下がって、歯の根が出て、神経が過敏になっている時にもおこることがあります。
重症の場合は、かむ力が弱くなったり、食事がとれなくなったりして消化不良、胃腸障害をおこす場合があります。そうなると、体全体の発育に影響を与えることになります。その他、発音障害が生じたり、むし歯や歯周病になりやすくなったりします。また、8020達成者(80歳まで20本の歯がある方)はきれいな歯並びをしていることからも、歯並びは全身の健康と深く関わっていると考えられています。
最近では電動歯ブラシもかなり良くなってきているので、使用しても構いません。ただし、使い方や歯ブラシの回転方法によっては、歯肉が傷ついたり、下がったりしますので、歯医者さんに相談してから使用したほうがいいでしょう。また、電動歯ブラシだけに頼らず、手で磨く習慣も忘れずに、細かいところは、手で磨くようにしましょう。
出っ歯の原因として、遺伝や指しゃぶりや舌を出す癖が考えられます。習慣が原因の場合はその癖を止めさせることも必要ですが、その原因を探すことも大切です。小児歯科専門または、矯正歯科専門の歯医者さんを受診し相談してください。
毎食後、一回につき最低でも3分間を目標に磨くようにしましょう。歯と歯の間は歯ブラシでは限界があるためデンタルフロス(糸つきようじ)を使いましょう。
持っていった方がいいです。歯に適合していれば再び接着することができます。
永久歯と交換のために、自然に抜けた場合でも、できれば歯を持っていきましょう。外傷で抜けた時は、牛乳などに入れて必ず持っていくようにしましょう。
痛みの原因にもよりますが、勝手に外して、装置が壊れることもありますので、出来るだけ早く主治医に受診してみてもらいましょう。
銀歯になっていても、歯みがきをしなかったり、不潔にしておけば銀歯の周りからむし歯になっていきます。
治療して、銀歯(つめもの)になっていても、歯と銀歯の間には、目に見えないすき間があります。歯みがきを怠ってしなかったり、不潔にしておけば、銀歯のまわりからむし歯になってきます。
このむし歯を二次カリエスといいますが、治療範囲がどんどん広がってゆきます。治療後のケアが大切です。
ごく初期の表面だけのむし歯であれば十分な歯みがきで歯が再び再石灰化をしてなおることもありますが、穴になってしまったむし歯はなおることはありません。
歯並びの状態によって、違ってきます。また、始める時期は顎や顔の発育も考えて決めなければなりません。乳歯の場合は、異常が見られた時に小児歯科専門の歯医者さんを受診し、適切な治療開始時期を診断してもらう必要があります。また、前歯が永久歯に交換したときが将来の歯並びの診断予想のできる時期ですので、異常が見られた時は、小児歯科または、矯正歯科専門の歯医者さんを受診して、みてもらいましょう。
一見、正常に見える歯並びでも成長とともに変化してきます。
とくに近親者に歯並びの悪い方がいる場合は、歯並びは遺伝的要素が大きく左右しますので早めに受診をして、定期的にみてもらいましょう。
むし歯の治療は基本的には、健康保険でできます。お子様の治療の場合、3割負担として大体1本につき、銀歯やプラスチックの歯と同じ色のつめものをつめると、1000円から1500円程度です。また、歯の根の治療があれば、歯の部位と根の状態により200円から3000円と治療内容によってはかなり差があります。また、最近は乳幼児医療費の助成が拡大されていますのでご確認ください。